さて、前回からの続きです。
この、1メートルに及ぶフィルターをいかに作るか?
何しろ、20年ほど前の製品のため、標準書はなく、当時の職人さんがどのように作ったのかの資料もほとんどなく、単にサンプルの製品のみ。
まずは、綾織圧延メッシュを”丸め”ることに成功はしたものの、次は溶接です。
弊社は、抵抗溶接に関しては長く携わってきていますが、とにかくこれほど長い物の溶接は、初めてでした。
そこで、実際に溶接をしてわかったことは、最も難しいのが、”真っ直ぐ”にすること、でした。
実は、一つの圧延機にこの手のフィルターが何本も使用されるため、お互いに緩衝してしまってはいけなかったのです。これは、注文をしたメーカーからの要望でした。
真っ直ぐなものを丸めて接合させれば、当然真っ直ぐになる、と考えるのは普通なのでしょうが、実際には真っ直ぐにはできなかった。何故なのか?
一番左のフィルターは真っ直ぐですが、他の2本は曲がっている。
溶接時の問題なのか、温度なのか。メッシュ自体は支給品であったので、当然溶接に問題があるのではないか、と考えたわけです。
溶接時にも治具を使って、真っ直ぐにスポットしていきます。
この難問を解くカギは、最初の”真っ直ぐなものを・・・”でした。
メッシュはカットをされて支給されていましたので、カットされたメッシュが真っ直ぐではなかったのです。
けれど、ここにたどり着くには様々な試行錯誤がありました。当然、さまざまな事を想定して溶接を試したからこそ、たどり着けた答えでした。
ですから、取引業者の方も、メーカーの担当者の方もわかってくれたのです。
けれど、それで全ての難関をクリアしたわけではありません。 次には何が・・・・?
それは、また次回に♪